再建形成
韓国で再建形成をする理由
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形成外科(Plastic Surgery)は、一般的に形成・再建外科(Plastic & Reconstructive Surgery)を意味するが、形成(Plastic)の代わりに美容(Aesthetic)と書いて、見た目の改善を目指す美容整形を指すこともある。
再建手術(Reconstructive Surgery)は、損傷や欠損が発生した組織や部位を修復し、正常な状態に回復させる手術や治療を指します。
一方、美容外科(Aesthetic Surgery)は、日常生活をより正常に過ごせるようにし、外見的な改善を目指すために行われる手術を指します。
再建手術は、組織欠損の治療や奇形の矯正に限らず、医学のさまざまな分野で進化し、広範に応用されています。特に外傷やがん手術後の再建、難病の治療など、患者の生活の質を向上させるために欠かせない手法となっています。
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- 乳がんの手術は他の手術と異なり、がん細胞を完全に取り除くだけでなく、乳房の外形を保持し、審美性(美しさ)も考慮する必要があります。乳房再建には、自家組織を用いた再建法と人工乳房(インプラント)を使用する再建法の二つの手術方法があります。近年では、内視鏡やロボットなどの先端医療機器を活用した手術が増加しています。
自家組織を用いた乳房再建方法
- 遊離腹部皮弁法(DIEP):腹部の脂肪と皮膚を使用した再建方法
- 広背筋皮弁法(LD flap):広背筋という背中の筋肉とその表面の脂肪、皮膚を使用しした再建方法
- ⼤腿深動脈穿通枝⽪弁(PAP flap):太ももの内がわ後⽅にある⽪膚・脂肪・⾎管とを胸に移植する再建⽅法
- * 腹部組織を使用するのが難しい患者の場合、太もも、ヒップ、わき腹など他の部位の自家組織を利用して乳房再建術を行うことが考えられます。最近では、「PAP flap」と呼ばれる太もも組織を利用した乳房再建が注目を集めています。
人工物による乳房再建方法
- 人工物による再建手術は、全摘術(total mastectomy)で取り除かれた乳房組織の代わりに、元の乳房の形に類似するか、または反対側の乳房と対称になるように再建する方法です。
- 人工物による再建手術は、手術時間が1~2時間で済み、自家組織を用いた手術に比べて比較的に簡単な手術です。手術後の回復が早く、入院期間も短いというメリットがあります。
ロボットを用いた乳房再建方法
- 乳がんにおけるロボット手術は、脇の付近を小さく切開した後、切開部位にロボット腕を挿入してがん細胞を取り除く方式で行います。この低侵襲手術により傷跡が最小化され、体への負担が比較的に小さいというメリットがあります。患者は自然の胸を最大限に保存できるため、ロボット手術に対する満足度が高いとされています。
- ダ·ヴィンチ(Da Vinci)手術システムは、先進的な手術支援ロボットを用いて低侵襲手術を行うための先端医療機器です。
このシステムでは、ロボットが直接手術を行うのではなく、外科医がサージョンコンソールと呼ばれる操作ボックスの中で内視鏡画像を見ながらロボットを操作して手術を行う方式であります。ダ・ヴィンチ手術システムは、様々なモデルがあり、それぞれ異なるペイシェントカートを備えていますが、いずれのシステムも外科医が低侵襲手術を行う際にサポートする役割を果たしています。
<Da Vinci robotic system. SI, X, XI, SP model>
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- 顔面神経麻痺は、顔の筋肉を制御する顔面神経の機能に障害が生じ、その結果、顔が麻痺する状態を指します。この病状は、鼻腔や口腔を維持し、明瞭に話すために必要な筋肉の機能喪失につながりかねず、患者の自己イメージや社会生活にも潜在的な影響を及ぼす可能性があります。そのため、顔面神経麻痺の治療は非常に複雑であり、新たで効果的な治療法を模索するために進歩し続けています。
先天性顔面神経麻痺
- 生まれつきの状態で、顔面神経が影響を受け、筋肉の運動が制限される状態を意味し、小児患者に最も一般的な種類の顔面神経麻痺です。この状態は他の疾患と関連して発生することもありますが、時折、症候群の一部として発生したり、単独で発生することもあります。この状態は新生児期から発生し、頻度はおおよそ2.0%程度とされています。
後天性顔面神経麻痺
- 片側に発生したり両側に発生したりし、影響を受ける神経によって多様な形態で現れることがあります。この状態の最も一般的な原因の一部は、頭蓋内および頭蓋外の新生物、ベル麻痺、外傷です。
- 特発性顔面神経麻痺(ベル麻痺)
突然顔面神経麻痺が生じた患者の場合、ほとんど診察と検査を受けても特別な原因を見つけることが難しいことがあります。このような場合、一般的には特発性顔面神経麻痺またはベル麻痺と診断されます。ベル麻痺は英国の医師チャールズ・ベルの名前に因んで名付けられた診断名であり、顔面神経麻痺の原因の中で最も一般的なものであるため、医学上広く使用されています。
- 原因が特定できる顔面神経麻痺
場合によっては、麻痺の原因が特定できる場合があります。そうした場合には、その原因に基づいた治療を行います。- ラムゼイハント症候群:帯状疱疹ウイルスによって引き起こされ、顔面に帯状疱疹とともに麻痺が発生する症候群。
- 外傷:交通事故や墜落などで頭骨が骨折し、それに伴って麻痺が発生。
- 脳神経疾患: 脳卒中や脳腫瘍などの神経疾患が原因で麻痺が発生
- 合併症:急性中耳炎や慢性中耳炎の合併症として顔面神経麻痺が発生
治療
- 非外科的治療
- ベル麻痺の治療
薬物投与と同時に電気刺激などの物理治療を行いつつ、数ヶ月間の経過観察を行います。 ベル麻痺患者の8割以上が、薬物投与と経過観察だけで顔の動きが完全に正常に戻ります。 治療期間は通常数ヵ月かかり、徐々に回復します。 一部の患者はある程度の麻痺が残ることもあります。 涙不足による目の合併症が経過観察中に発生しないよう、目薬使用治療も同時に行います。 -
ラムゼイ·ハント症候群による顔面神経麻痺の治療
抗ウイルス薬と鎮痛剤を投与します。 通常、目には眼帯を着用して目を保護し、麻痺した部分に物理療法を適用して治療します。 発病後すぐに治療を始め、顔面神経への血液供給を円滑にする保存療法をできるだけ早く進めたほうが治療結果が良いといわれています。 - 外科的治療
損傷した神経を復旧させたり、他の神経を繋げたりするために眉毛矯正、目つき矯正(眼瞼下垂矯正)、口や唇の狭部の矯正、神経移行術、微細な血管神経筋肉移植術、部分的な筋肉の移動などの手法が用いられます。また、麻痺が長期にわたる場合、他の部位から筋肉を移植して顔の動きを改善することも可能です。 -
まぶたが閉じられない場合
顔面神経が麻痺すると、まぶたが閉じられず、目を守ることが難しく、眼球が乾燥して角膜が損傷し、最終的には失明の可能性があります。このような場合、まぶたにゴールドやプレチナムの重りを挿入するなどして、目がしっかりと閉じられるようにする治療方法があります。 -
顔面表情筋の回復
表情を完全に回復することは非常に難しく、手術後も微細な表情まで正常になることは難しい場合があります。目尻や口角が垂れ下がり、非対称が目立つ場合には、目尻や口角を引き上げて固定させる手術が行われることがあります。
しかし、表情を見せるためには神経や筋肉を回復させる手術が必要です。顔面神経が損傷していても、時間が経過せずに顔の筋肉が萎縮していない場合、神経移植を通じて神経を回復させることができる可能性があります。
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- 現代社会では、糖尿病患者が増加し続けています。世界保健機関(WHO)によれば、成人の5〜10%が糖尿病であり、その中で15〜25%が糖尿病性足部疾患を患っていると報告されています。糖尿病性足部疾患は、糖尿病患者の足に生じる神経病、構造的変形、皮膚の変化、足の潰瘍、感染、血管疾患などを包括した総称であり、最終的には足の切断が必要な深刻な糖尿合併症となります。
検査
- 経皮的酸素モニタリング(TcOM)または経皮的酸素圧力(TcpO2)で末梢血管疾患(Peripheral Vascular Disease, PVD)の重症度を評価 糖尿病性足病変や重症下肢虚血患者の足が治癒するためには、足の傷の部位まで十分な血液供給が必要です。血流が到達することで酸素が傷に供給され、細胞が生きられるようになります。足の血管を拡張させるためには、バルーンによる拡張術で足の血管を開通させたり、バイパス手術(迂回路をつくる手術)で足の血管をつないだりします。その結果を測定する方法の一つが、写真に示されているように実際の足組織を通じて酸素分圧を測定することです。通常、酸素分圧が40mmHgを超えると、傷部位が治癒する可能性が高いと判断されます。
<経皮酸素分圧測定装置>
治療
- 局所陰圧閉鎖療法 (Negative-Pressure Wound Therapy[NPWT])
傷口を密閉して持続的な陰圧を加えることにより、患部で発生する壊死組織および滲出液を効果的に除去し、細胞再生を促進させる治療方法 -
成長因子療法(Growth Factor Therapy)
成長因子の不足により傷の治癒が難しい糖尿病患者に対し、血小板由来増殖因子(Platelet-derived growth factor[PDGF])、塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor[bFgF])、上皮成長因子(Epidemal groth factor[EGF])などを補給して傷の治癒を促進する治療法 -
細胞治療(Cell Therapy)
創傷治癒力が優れている細胞を傷に移植することで、最大限の傷治癒がなされる環境に変える方法であります。
現在、線維芽細胞、角質細胞、ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞、血小板濃厚液、間葉系幹細胞などが臨床で広く活用されています。 - 超音波を用いた治療法(Ultrasound Therapy)
超音波は局部的な熱効果を生じることで傷の治癒を促進します。これにより、創の収縮、コラーゲンの沈着、肉芽組織の形成、血管の新生、そして傷跡が柔らかくなる効果があります。 - 高気圧酸素治療 (Hyperbaric Oxygen[HBO] Therapy)
正常大気圧の2倍以上の圧力で100%の酸素を供給する治療法で、血漿に溶解した酸素分圧を増加させ、組織への酸素供給を向上させる治療法 - 短波長赤外線療法(Monochromatic Infrared Energy[MIRE] Therapy)
890nm波長の近赤外線レーザーを皮膚の表面に照射することで、血液と血漿の一酸化窒素(NO)の数値を増加させます。MIRE療法は治療部位の細胞増殖と血流を最大で400%向上させることができます。 - 非侵襲的無痛療法、スクランブラー療法(Pain Scrambler Therapy)
米国FDAの承認および欧州CEマーク認証を受けた、技術的に進歩した独自の慢性痛管理治療法です。この機器を使用した治療により、麻薬性鎮痛剤に関連する有害で致命的な副作用や中毒の問題を回避できます。 - 体外衝撃波治療(Extracorporeal shockwave therapy[ESWT])
患部に衝撃波を照射する治療法で、損傷した細胞を活性化させ、血流供給を増加させて組織再生の過程を助ける治療方法です。炎症の治療や腱、靭帯、筋肉などの強化を通じて、痛みの軽減と機能の改善が期待される効果があります。
高気圧酸素治療 短波長赤外線療法 非侵襲的無痛療法、スクランブラー療法 体外衝撃波治療 -
- 手は身体の末端に位置し、各種の道具を扱うのに使用される部位であるため、損傷が最も多く発生する部分です。1950年代に手術用顕微鏡が導入され、遊離皮弁移植術(Free flap)や切断四肢再接合術(replantation)が可能になり、それ以後、非常に迅速な発展が遂げられました。特に手技が繊細な韓国では、他の国々では試みられていない高度な手術や多発性損傷の再建が行われています。指先が切断された場合でも、0.2〜0.3mmの血管を見つけて接合する術技が普通と言われるほど、優れた技術が自慢されています。
手術方法
- 親指の切断指再建術
親指は手の機能の50%を担っており、親指が失われると多くの機能を喪失することになります。そのため、親指を再建することは生存と生活の質を維持する上で非常に重要です。切断部位や担当外科医の熟練度、そして患者の選択によってさまざまな再建方法が可能であり、最適な方法を選択するためには患者との十分な相談が欠かせません。- 人差し指を用いた再建術:
中手指節間関節(MP関節)付近で親指が切断された場合、人差し指を用いた再建術が最も適しています。人差し指は適切な長さと再構成可能な固有の筋肉機能を有しており、神経がそのまま残っているため、手術が他の方法よりも難しくなく、即座に正常な感覚を戻せるなどのメリットがあります。人差し指がない手の形が心配で、この方法を好まない患者も多いかもしれませんが、意外と手術後の外観は予想よりもはるかに良好です。この方法は親指がない状態で生まれた先天性奇形患者にもお勧めされます。
- 足の指を用いた再建術:
足の指を用いた再建術は「足趾(そくし)移植術」とも呼ばれ、失われた指の一部または全体を再建するために足指の爪、皮膚、骨、神経、そして血管を利用する手術です。この手術では、手の親指が一部または全体を失った場合、損傷の程度に応じて足の第1趾の一部または全体を取り入れて再建します。他の指の場合は、第1趾の一部を分離して移植することもありますが、ほとんどは第2趾を使用します。指が2本以上失われた場合、両方の第2趾を活用したり、片足から第2趾と第3趾を同時に移植することができます。最近では手と足の爪の形状の違いを考慮して、第1趾の爪と第2趾の関節と骨を組み合わせる手法の移植術も行われています。 - 遊離皮弁(free flap)を利用した再建術:
骨などに血管を付けた「生きた自家組織」を円筒形に巻いて親指の残った骨に固定させた後、動脈および静脈神経を縫合して親指と類似した構造を作る方法です。ただし、指の形で重要な部分である爪を作り出すことができないため、指や足の指移植施術に比べて外観があまり審美的ではありません。しかし、指や足の指の損傷を避けることができるというメリットがあります。 - 骨延長術:
組織拡張器を使用して第1中手骨を延長する方法です。この手法は骨を伸ばすために長い期間組織拡張器を着用する必要があり、感染のリスクがあるというデメリットがあります。ただし、この方法は正常な感覚を提供し、他の部位に傷を残さないというメリットもあります。
- 人差し指を用いた再建術:
- 再移植術
- 切断された指の移植: 近年では一般的な手術となっています。切断部位の損傷がひどくなければ、成功率は90%以上に達します。
- 指先の移植: 非常に小さな血管を縫合する必要があり、繊細で複雑な手術です。そのため、かつては執刀医も避けがる手術でしたが、技術と医術の進歩により、最近では普通に行われる手術方法となりました。手術後の手の機能を保障するためには、関節、腱、神経の機能回復が欠かせません。
- 欠損の再建
- 手が切断された場合、切断部位が残っていれば再接着が可能ですが、欠損がある場合には自家組織を利用して再建が行われなければなりません。手は骨、神経、血管、腱などさまざまな組織で構成されているため、各構造の重要度に応じて順次再建が行われます。
- 手の変形の再建
- 骨折の不適切な治癒や誤った接着により癒合が悪い場合、または関節の損傷や欠損による変形、皮膚の収縮による外傷後の収縮、肥厚性傷など、さまざまな変形や奇形が発生した場合には、再建術が行われることがあります。
- やけどによる損傷の再建
- 手はやけどの危険が高い部位であり、やけどによる損傷はひどい収縮を引き起こし、深刻な障害を誘発する可能性があります。火傷による収縮の場合、一般的には股間から採取した厚い皮膚を用いた再建術が行われることがあります。
症状が深刻な場合には、自家組織を利用した再建術が選択されることもあります。
- 手はやけどの危険が高い部位であり、やけどによる損傷はひどい収縮を引き起こし、深刻な障害を誘発する可能性があります。火傷による収縮の場合、一般的には股間から採取した厚い皮膚を用いた再建術が行われることがあります。
- 爪の再建
- 爪はそれぞれの指先に位置し、手の機能を補助し、美的にも重要な役割を果たしています。爪が損傷した場合、爪を移植したり、重症度に応じて足指の爪の周辺部を利用するマイクロサージャリーなどの手術技法が適用されることがあります。爪再建術の場合、移植された爪がまともに伸びなかったり、他の指とは違う速度で伸びる場合があり、様々な結果の可能性について十分な理解を経た上で行わなければなりません。
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A. 眼窩底骨折(がんかていこっせつ)
- 眼窩底骨折は眼窩骨の深い部位に位置しているため、接近が難しく、視神経を含む様々な重要な構造が損傷してはならないため、顔面外傷外科で手術が最も難しい骨折の一つです。
- 眼窩底骨折手術は、主に眼窩底骨折によって逸脱した眼窩内容物を元の位置に回復させ、眼窩底骨折を予防することを目的とします。
再建方法
- 折れた骨片を用いた眼窩壁の再建法
: 骨折箇所が眼窩底骨折のみである場合、下まぶたや結膜、または経鼻および経眼窩からアプローチし、患者自身の折れた骨を元に戻す手術法が採用されます。手術の際には眼窩壁が固定されるまで上顎および篩骨洞(ethmoid sinus)に吸収されるプレートが配置されることがあります。 - 眼窩内側壁骨折の再建法
: 内側下部の眼窩壁骨折などの深刻な骨欠損の場合、欠損された骨の両端を連結できる大きな人工物を使用する再建が必要です。このような再建には、眼窩外からのアプローチと眼窩外にプレートで固定させる再建法が不可欠です。
眼窩内側壁骨折 眼窩内側壁が骨折して 眼窩脂肪が出たところ 眼窩底を支持する バルーニング法 - * 骨折の外科的処置のためのアプローチは、大きく結膜切開によるアプローチ、下眼瞼切開によるアプローチ、口内切開による軽上顎洞からのアプローチに分けられます。その他にも、冠状切開を通じて眼窩内壁、上壁および外壁にアプローチすることがあります。また、内視鏡を用いた眼窩アプローチ法と手術法も使用されています。
B. 顔面骨骨折
- 顔面骨骨折は主に交通事故、労働災害、各種偶発的事故、暴力などによって引き起こされます。この種の骨折は青年層の男性に圧倒的に多く見られ、成長期の子供たちにも頻繁に発生します。また、最近では野外活動とスポーツの大衆化により、顔面骨骨折の増加傾向が見られています。
治療
- 下顎骨骨折の内視鏡を補助的に用いた口内法
下顎関節の骨折は全体の骨折の25%から45%を占めています。この骨折の治療には下顎後方、前方、および顎下部からのアプローチを含む様々な方法が使用されています。ただし、これらの方法は顔面に傷跡が残ったり、顔面神経の外傷、動脈の破裂による出血、および近位筋の無腐性骨壊死などの合併症を引き起こす可能性があります。下顎骨の軟骨損傷の治療において内視鏡を補助的に用いた口内法は、低侵襲的な手術方法の一つです。この技術を使用することで、顔面に残る傷跡を最小限に抑え、顔面神経が損傷するリスクも低減できます。- 血管内視鏡を用いた頚動脈からのアプローチ
- 下顎骨骨折の内視鏡を補助的に用いた口内法
- 術中ナビゲーションシステムを用いた眼窩底骨折の手術法
術中ナビゲーションシステムは、手術前の詳細な分析や手術内容の仮計画の提示だけでなく、手術中の案内や制御、手術後の有効性検査まで提供します。術中ナビゲーションシステムはCTスキャンや3Dスクリーンを利用して、例えばインプラント配置などをリアルタイムで確認できるように補助します。- 術中ナビゲーションシステムを使用する際のメリット
- - 最小侵襲手術が可能
- - 粉砕骨折により損傷した部位を通し、必要最少限の開頭法
- - 外切開(眼窩下切開または歯齦部切開)を避けることができる
- - 解剖学的位置をリアルタイムに確認でき、安全な手術が可能
- - 手術時間が短い
- - 硬い人工物(プレート)を最も適切な位置に埋入することが可能
- - 顔面の対称性が得られる
<術中ナビゲーションシステムのユーザーインターフェースは、術具の位置を基準にX,Y,Z 軸の平行な三つの直交断面と3次元画像を見ることができます>
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- 先天性小耳症(無耳症)は、胎児の初期において耳を形成する組織が十分に発達していないことに起因する奇形です。
外耳(耳)の跡が少しでも残っていれば小耳症と呼ばれ、全く残っていなければ無耳症とされます。
手術
- 90年代初頭までは、耳の成長の大きさに応じて8歳前後に、主に胸軟骨を用いた手術が行われていました。しかし、最近では、耳の穴、耳たぶ、耳輪などの耳介(じがい)を再建する手法が開発され、これにより正常な耳とほぼ同様の外観を持つ耳が作られるようになりました。ただし、新しい手法では、従来よりも多くの胸軟骨が必要であり、手術の時期は胸軟骨の成長に基づいて決定されます。通常、胸囲が75cm以上、身長が155cm以上であり、満12歳以降に手術が行われます。
International Comparison of 5-year Survival Rates for Colon Cancer : Korea ('06-'10),Korea ('14-'18),USA ('11-'17),UK ('13-'17) 区分 説明 手術時間 術後の治療 1回目の
手術耳のかたちの基礎となる枠組みを作る手術
(胸の軟骨を採取して耳介の形態にした後、作った軟骨フレームを皮下に埋め込む手術)約5時間
(全身麻酔)入院治療:約10日間
通院治療:退院後、1か月間(週2回)2回目の
手術正面から両耳が見えるように、反対側の正常な耳と同じ高さになるように耳を持ち上げる手術
(1回目の手術後、約6ヶ月後に行う)約3.5時間
(全身麻酔)入院治療:約7日間
通院治療:退院後、約20日間(週2回)3回目の
手術耳の形状をできるだけ反対側と対称に整える手術
(2回目の手術後、約4~6ヶ月後に行う)約2時間
(局所麻酔)入院治療:該当なし (日帰り手術)
通院治療:約30日間Before After The other normal ear - 先天性小耳症(無耳症)は、胎児の初期において耳を形成する組織が十分に発達していないことに起因する奇形です。
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- 先天性巨大色素性母斑は、先天性メラニン細胞性母斑(Congenital melanocytic nevi)の一種で、そのうち長軸の大きさが50cm以上のものを指します。先天性色素性母斑は、生まれた時から赤ちゃんが持って生まれる先天性母斑であり、その有病率は全体の新生児のうち約1%程度です。これは珍しい病態であり、「悪性黒色腫」と呼ばれる皮膚がんを誘発する可能性があります。
そのため、早期診断と治療が非常に重要です。
治療
- 連続切除術
母斑の大きさが比較的大きく、2~3回切除が必要な時に行われます。手術は通常3~6か月ごとに行われます。 - 自家培養表皮移植術
患部を切除した後、体の別の場所から皮膚を取り出し、欠損した部分に移植する手法です。この方法のメリットは、手術が一回で済むことです。ただし、欠損した皮膚を取り出した部位に新しい傷跡が残るというデメリットがあります。
また、移植した部位には時間の経過とともに瘢痕拘縮(ひきつれ)が発生する可能性があります。 - 組織拡張器による再建手術
巨大色素性母斑症に対する最も一般的な治療法であり、患部周辺の斑症のない皮膚に拡張器を埋入し、数か月かけて皮膚を最大限に拡張させた後、母斑を除去して、伸ばされた皮膚を移植して再建する方法です。- 1回目の手術: 母斑周辺の正常な皮膚組織の下に、組織拡張器を埋入します。その後、3~6か月かけて、生理食塩水や空気を注入して組織拡張器を膨張させ、外側の皮膚を拡張させます。
- 2回目の手術: 皮膚の拡張が完了すると、母斑を切除し、切除された部位を拡張させた皮膚組織で覆います。
- 非外科的治療
母斑の深さと大きさに応じて、レーザー治療法(CO2レーザー、Nd-YAGレーザーなど)、液体質素を用いた凍結療法、電気分解法などの治療が行われます。レーザー治療の場合、一度に全てを除去することは難しく、通常は段階的な治療が行われ、その効果を逐次確認します。最初に優先的にレーザー治療を進め、効果が不十分であれば、その後に外科的治療が必要になることがあります。
- 先天性巨大色素性母斑は、先天性メラニン細胞性母斑(Congenital melanocytic nevi)の一種で、そのうち長軸の大きさが50cm以上のものを指します。先天性色素性母斑は、生まれた時から赤ちゃんが持って生まれる先天性母斑であり、その有病率は全体の新生児のうち約1%程度です。これは珍しい病態であり、「悪性黒色腫」と呼ばれる皮膚がんを誘発する可能性があります。
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- 皮膚は、表面から近い順に表皮、真皮、およびいわゆる脂肪層と呼ばれる皮下組織の3つの層に分かれ、皮膚がんは皮膚を構成しているすべての組織と細胞で発生する可能性があります。代表的な種類には基底細胞がん、扁平上皮がん、悪性黒色腫(メラノーマ)があります。この他に、血管肉腫、隆起性皮膚繊維肉腫、乳頭パジェット病、皮膚付属器がんなど珍しい皮膚がんもあります。
- 基底細胞がん(Basal cell carcinoma, BCC)
基底細胞がんは最も一般的なタイプの皮膚がんで、主に顔、特に鼻、まぶたの周り、頬に多く発生します。この種のがんは成長速度が遅く、一般的に他の部位への転移は珍しいといわれていますが、周囲の皮膚や皮下組織、筋肉、時には骨にまで局所的に侵入する可能性があります。
* 外科的方法> 外科的切除術、モーズ顕微鏡式手術(モーズ手術)、掻爬(そうは)術及びレーザー焼灼術、凍結療法 - 扁平上皮がん(Squamous cell carcinoma. SCC)
扁平上皮がんは、主に顔、下唇、耳などで好発します。日光角化症、やけどによる傷跡、慢性潰瘍があった部位で発生することが多いです。基底細胞がんと比較して、扁平上皮がんは他の部位に転移する可能性が高いとされています。 - 悪性黒色腫(Malignant melanoma、メラノーマ)
主に表皮の基底層に散在しているメラニン細胞で発生し、原発部位では人種によって顕著な差が見られます。この種のがんは発生初期から他の臓器への転移が可能であり、悪性度が高いため、早期診断と手術的な完全切除が必要です。 - その他のがん
- 血管肉腫(Angiosarcoma, AS)は、血管やリンパ管の内皮細胞に由来する悪性腫瘍で、一般的に外科的切除術や放射線療法が行われることがあります。
- 隆起性皮膚線維肉腫(Dermatofibrosarcoma protuberans、DFSP)は、皮膚の中間層にある結合組織細胞から発生する珍しい形態の皮膚がんです。吹き出物のように見え、通常は腕、足、胴体などから発生し、ゆっくりと成長します。
- 乳頭パジェット病(Extramammary Paget's disease, EMPD)は、主に乳頭で発生し、通常は乳管がんが乳頭の皮膚に拡散して生じる病態です。
- 脂腺がん(Sebaceous carcinoma)は皮膚がんの一種で、皮膚の真皮および皮下組織にある皮脂細胞で発生します。
このがんは主に目の周り、顔、頭皮、首の方で現れることがあります。 - 脂肪肉腫(Liposarcoma)は、体の脂肪組織で発生する脂肪細胞で構成された悪性腫瘍であり、通常は胴体、太もも、腕などの正常な脂肪組織がある皮膚の下の組織で最も多く発生します。
- 爪部悪性黒色腫(Subungual melanoma, SUM)は手足の爪に黒い病変が現れ、まれに発生しますが、予後が非常に悪いため、組織検査が必要です。
診断
- 皮膚がんの正確な診断には、局所麻酔を行い、皮膚病変の一部を切り取って調べる皮膚生検が行われます。また、胸部レントゲン検査や腹部エコー検査をはじめとする検査手段として、CT、MRIなどの精密検査で調べることによって、腫瘍の浸潤の深さや転移の範囲など、病気の状態がわかります。
特に最も悪性度の高い黒色腫の場合、ABCDルールを用いて観察する方法もあります。
- ABCD観察法
- - Asymmetry(非対称性形状)
- - Border irregularity(不規則な境界)
- - Color variegation(多彩な色調)
- - Diameter(直径6mm以上)
治療
- 外科的切除術、モーズ手術(皮膚がんを効果的に完全除去 するために考案された特殊な手術方法)
- 凍結療法、光線力学療法: 皮膚がんの初期に適用される治療法
- 放射線治療: 外科的手術が困難な高齢の患者に対して有用な治療法
- 抗がん剤治療、分子標的薬治療、免疫療法: がんが転移した患者に対して使用される治療法
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- 含む)が蓄積され、その結果、腕や足に浮腫と慢性的な炎症が生じる疾患です。リンパ浮腫は主に原因が不明で生後間もなく発生し、一般的には遺伝的な要因が関与している可能性がある一次性と手術、放射線治療、外傷などが原因でリンパ管が損傷され、その後に浮腫が発生する二次性に分類されます。どちらのタイプも、時間が経つにつれて症状が悪化する傾向があり、早期診断と適切な治療が重要です。
診断
- 手足回り/体積測定: 手足の体積を測定し、正常な側と影響を受けた非正常な側を比較する
- リンパ管造影術(Lymphoscintigraphy): 核医学検査の一種で、患者の足の指または指の間に放射線同位体が含まれる物質を注入し、リンパ液の流れを詳細に観察するために行われる方法
- 超音波を用いた検査 :皮膚と皮下組織の厚さや硬さを非侵襲的に評価するのに有用な方法
治療
- 保存療法
- 浮腫に対するリハビリテーション: スキンケア、医療リンパドレナージ、圧迫療法、運動療法
- 局所タイプ温熱療法
- 薬物療法
- 外科的治療
- リンパ管静脈吻合術:直径が0.7mm未満の皮膚下リンパ管を静脈に直接結合させることで、リンパ循環の道を新たに作り出す手術
- リンパ節移植術: 患者の正常なリンパ節を一部採取し、浮腫がある部位に移植する手術
- 脂肪吸引: 皮下組織に蓄積した余分な脂肪を吸引する手術で、これが脂肪吸引を介して行われることを指しています。これは、浮腫自体を減らす方法として考えられ、特にリンパ浮腫が進行して線維化が進んでしまい、他の手術法が効かなくなった場合に検討されることがあります。この手術法は、過度に蓄積された皮下組織を取り除くことで、部位の周囲および体積の減少を促進することが期待されます。
- * リンパ浮腫は、その特性上、包括的で継続的なアプローチが必要な疾患です。診断から手術、リハビリに至るまで、患者にとって最適な治療プランを策定するためには、専門的な知識と経験を持つ医療スタッフの協力が欠かせません。韓国の医療システムは協力体系が整っていると評価されていて、リンパ浮腫治療において強みを発揮していると言われています。特にマイクロサージャリーの経験が豊富な外科医が治療に携わり、患者に対して高い満足度の成果を上げているとされています